Noble Works
事業内容
天井・壁面/LGS組
LGSとは「Light Gauge Steel(ライト・ゲージ・スティール)」の略称で直訳すると「軽い・規格の・鉄骨」という意味です。メリットとしては木材に比べ施工性が良く、重量が軽いため搬入も容易です。又、耐火性能が必要な場面でも重宝されます。デメリットは細かい部分の現場施工がしにくいという事ですが、最近は厚さの種類も充実してきたため対応可能な箇所が以前より増えてきています。
天井LGS組とは「吊り天井」と言われるものでボルトと部材を組み合わせたものを吊って天井面を形成する施工です。ボルトは長さをカットする事により様々な天井レベルの設定が可能です。
壁面LGS組はランナーと言われる受け材にスタッドをはめ込んでいき、石膏ボード等を貼って下地を造る工法です。在来の木材を使うよりも反りや曲がり、湿気による伸縮が少ないので精度が高く、軽量で施工性が良いため、工期の短縮にも有用だと思います。
天井・壁面/PB・化粧板貼
LGS組の工程が終わり、木枠の取り付けや電気の配線等を経てPB貼りになります。PBとは「プラスターボード」の略で、焼石膏を主原料に芯材とし、表裏をボード用の原紙で被覆したものです。「燃えない建材」としても有名で、防火性の他に遮音性や施工性に優れ安価でもあります。このPBをLGSにビス止めで貼り付け、その後クロスや塗装で仕上げる工法が一般的です。
LGS組やPB貼りは内装の下地として仕上げてしまうと見えない為、地味な工程に感じられるかもしれませんが、住宅や店舗の基礎になる形を造るという重要な役割を担っており、設計図面への忠実さが求められる工程でやりがいがあります。
また天井に関しては、天井化粧板や岩綿吸音板等、ボード貼りが仕上げの最終工程となるため非常に気を遣う作業です。
耐震天井/LGS組
天井LGS組の項に記載しましたが、天井のLGS組はボルトによる吊り天井なので地震などの大きな揺れには弱いというデメリットがあり、それを露呈したのが東日本大震災でした。天井の落下により5名の尊い命が失われたのを記憶しています。東日本大震災以前にも、国土交通省の指針や各行政単位での指導はあったものの、明確で統一された基準ではなく、震災後の建築基準法に天井脱落の規制強化の指針が追加されましたが、建設業界にどこまで浸透しているのか疑問なのが現状です。しかし特定天井への義務化など、少しずつではありますが、耐震施工に対する基準は進化していますので、弊社といたしましては今現在、数種類ある耐震天井の工法に対応するのはもちろんのこと、今度出てくるであろう新しい工法にも柔軟に対応していけるよう一層努力をして参ります。
耐火壁、耐火遮音壁
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが「界壁」と書いて「カイヘキ」と読み、マンションやアパートの隣戸との境の壁を指しています。この界壁は火災が起こった際に隣人が避難時間を充分とれるよう、耐火性に優れた燃えづらい材質のものでなくてはなりません。そのためRC造ではコンクリート、鉄骨ALC造であればALCやブロックのような不燃材を使用することと基準が定められていました。しかし近年の建物の高層化に伴う自重増の問題や隣戸との騒音問題等に対応するべく、新たな界壁の材料として考案されたのが、吉野石膏の耐火遮音壁と呼ばれるもので、従来の材料と比べて軽量化と遮音の双方を兼ね備え現在では広く利用されています。弊社は社員含め専属職人全員が吉野石膏主催の耐遮会の会員となり技能講習を受講済みで消防検査においても指摘される事のない施工に努めております。
木造耐火建築
建物の密集する都市部では、火災による甚大な被害を防ぐため、国土交通省の都市計画法において「防火地域」「新たな防火規制区域」「準防火地域」が指定されています。その指定区域内に建物を建設する場合、階高や延床面積などの規模の区分に準じて、構造や性能において定められた基準を満たすことが必要とされます。その工法はコンクリート造やALC造に限定されていましたが、2019年6月末に改正建築基準法が施行され、従来の耐火建築物と同等の性能をもつ「準耐火建築物+α」という概念が登場しました。木造耐火のメリットは「狭小地の施工に適している」「RC造やS造より年間の減価償却費を多く計上できる」「工期短縮とコストダウン」「CO2の削減」などがあり、今後、需要が高まりそうな建築法だと考えます。ただしこの耐火構造の仕様にはビス1本であっても変更出来ず、細かな仕様が定められているため弊社では積極的な講習会への参加と耐火設計マニュアルの学習により、これまで3戸の耐火建築戸建と1件の準耐火建築の保育園を施工しました。今後も講習と経験を重ね、木造耐火の施工を希望される施主様や元請け様にも適切なご説明と技術を提供できるよう目指してまいります。